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2009年3月22日 (日)

渡辺満久さん(東洋大・変動地形学)の話を聴いてきました

3月14日(土), 池袋の豊島区生活産業プラザ(Ecoとしま)で、「大地・原発とめよう会」主催の

“くらしから原発を考える講座”

《〜変動地形学と六ヶ所村周辺の活断層〜再処理工場の下に活断層って本当?》 

(講師:渡辺満久さん (東洋大学教授・変動地形学))

が開かれました。司会は「ストップ再処理工場・意見広告の会」の島津さんでした。

 以下に報告します。

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 昨年5月に、東洋大・渡辺満久さんらの研究グループが、六ヶ所再処理工場の直下に新たに活断層の存在を示唆する研究結果を発表しました。その説明を含めたお話でした。

1)六ヶ所村一帯には、12万~13万年前に形成されたS面(*)という海成段丘(*)面が多く見られる。六ヶ所村周辺ではS面の上に11万5千~11万2千年前に噴火した北海道洞爺火山の噴火灰が載っていることが多く、地形変化の有無を調べやすい。

 (*)S面とは

 神奈川県の下末吉にちなんだ名称で、12万~13万年前に形成された、日本(世界でも)の海岸では比較的ポピュラーな海成段丘。この上に、さらに新しい地層が形成されることもある。

 (*)海成段丘とは

 海岸付近で、もともと波の作用で平らにされた地形(浅い海底)が、地震等による短期の地盤隆起や海水面の低下によって、海岸の背後に階段上に位置するようになったもの。本来は平らなので、地殻変動による異常を記録しやすい。地盤の沈降や海水面の上昇では形成されない。

2)尾駮沼の北方5~6kmから小川原湖にかけての地表に、本来は平らなS面段丘に、たわみ(とう曲面)が、幅1~2km、長さ10km以上連続して観測されている(六ヶ所とう曲)。渡辺教授らは、この地表の段丘面のたわみを起こした原因が地下の逆断層(六ヶ所断層)である、としている。

今回指摘されたのは、その六ヶ所断層が核燃施設の敷地の真下に延びている、ということ。

3)逆断層は六ヶ所核燃料サイクル施設の真下から北北東に延び、その延長線上の太平洋の海底にある80km長の「大陸棚外縁断層」とも連結している可能性を否定できない。これが事実であれば、将来M8級の巨大地震に襲われる可能性がある。

4)日本原燃はこの説に対し、原因は未解明としながらも、地盤隆起の原因は、活断層以外のメカニズムもありうる、と反論し、渡辺教授らの説を認めようとしていない。

5)もちろん、渡辺教授らは、これに再反論し、原燃の主張は不自然で矛盾している、と指摘する。

6)学説的な議論は、十分科学的根拠に基づいて行われるべきであるのはもちろんだが、不明な場合は、安全側に立った、予防原則に従うべきであることは云うまでもない。

 計画をはやく推進させるために安全を値引きすることは、活断層が見逃されて基準地震動が過小評価されないようにするために、とつくられた、「活断層等に関する安全審査の手引き」に違反すること。

7)渡辺教授は、この2年間で次のことが分かった、と語られた。すなわち、

・国の審査機関に入っているのは、文句をいえない人だけ。事業者の言い分を丸飲みする。「専門家」としての能力不足。

・六ヶ所施設に関する渡辺らの主張を認めると、全国で安全審査のやり直しが必要になる →結果として、全国共通してずさんな審査となっている。

 この2点は、国や電力会社の言い分を聞くごとに、私たちも感じさせられることでした。

 皆さんは、どちらを信じるでしょうか?

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 ここからは、3/14の渡辺先生の話ではありませんが、関連する貴重な報告の紹介です。

六ヶ所村付近の活断層に関連して、広瀬隆さんが、1994年12月28日に起きた「三陸はるか沖地震」による、六ヶ所村再処理工場建設地付近の道路の亀裂や尾駮漁港の破壊について報告されています。

1995年5月号の雑誌「宝石」および、2008年9月、たんぽぽ舎発行のパンフレット「六ヶ所村の再処理工場反対運動の展望」に写真が載っています)。

 それによると、これらの被害は3 月の雪解け後の調査により分かった。60個所を越える道路の亀裂のほとんどが、下北半島の構造谷と呼ばれる断層群を形成する南北方向に走っており、その一つが再処理工場の敷地内に走っている断層の真上に発生していた。すなわち、再処理工場正門前の道路亀裂は、1988年に日本原燃の内部資料よりその存在が明らかになった、f1断層とf2断層の合流点にあり、亀裂をたどると、再処理工場のど真ん中、f2断層の真上に高レベル廃棄物の貯蔵庫がある。

 渡辺教授の指摘された、S面のたわみの連なりは、このf1,f2断層から2~3km東寄りにあり、その原因となる活断層が再処理施設の真下にあるという指摘と一致するのではないだろうか?

(95年1月に阪神大震災が起き、広瀬さんたちが道路亀裂などの写真撮影をした、1995年3月19日の翌日に、地下鉄サリン事件がおきた。それらの2大報道の陰に、上記の貴重な写真と報告は当時、ほとんど注目されることなく、かき消されてしまったようだった。広瀬さんたちが調査に入っていたとき、雪解けであらわになった尾駮漁港付近のメチャメチャになったコンクリート等を修理する工事車には、原燃のステッカーが貼ってあり、原燃が必死になって急いでこの大破壊を全部隠してしまおうとする大工事を急いでやっているところだったことが分かったそうです。)

     m.iwata

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